SSブログ

バリ人の交渉術 [life style]

現在の住まいの 賃貸契約を更新 することにしました。1年契約ですが、更新の時は賃料が上がる
という話を色々と聞いていたので、さて、我が家は出来る限り前年度と同じ条件で進めたいと思い、
事前に先輩方にも相談しました。

中には前年度の1.5倍、ひどい場合は2倍にも賃料を上げられ、引っ越すことを決めた人たちも…。
物価の上昇もあります。 ある程度、相場の範囲内は覚悟をしておかねばと腹積もりもしました。

当日がやってきて(通訳を介し)こちらから率直に交渉の口火を切りました。
「今日は契約更新について、ご相談したいと思います。希望は前年度と同じ条件で更新出来ればと
思っています。」

バリ人オーナー夫妻は一瞬、ピクっと緊張した表情を見せたのち、
「希望の条件を突き付けては、お互いにカチンと来ると思いますから、双方の折り合える
ところを探していきたいと思います」 …
と、こう来ました。

ほ~~~う。 なるほど。

争い事が大嫌いというバリ人は、ド頭から 「攻撃回避」 のポーズを決めます。そして
「いくらでしたら契約できますか」 と、条件提示はこちらに委ねられました。心の準備はあるとは
言え、こちらから値上げ率を提示するのも変なものです。「出来れば同じ条件で…」

すると、 「ここ最近のバンジャール(行政外の地域共同体)では、賃貸物件について値上げの
方針を決めています。ですので私たちもその方針に従わなければなりません」
…はいはい。つまり意思決定プロセスにワンクッション置き、間接的に彼らの立場を主張しています。

そこで夫が「物価の上昇率を参考にしますと、前年比7%くらいなんですよ」と言って計算します。
すると当然、半端な端数が出てきて割り切れない数字になってしまいました。

「それでは、切りのいいところで10%ではどうでしょう?」 と言う話になり、あまりに細かい数字で
四の五のやり取りをするのも何ですから、想定の範囲内ですし、そのあたりで手を打ちました。

      089. 契約書.JPG

更に話は続きます。 庭の掃除、ハウスクリーニング の代金についてです。
私たちは日本に帰国する予定もあるため、その分は減額を考えていました。しかし、その間現地に
とどまる母親がいます。掃除の回数を減らすことがいかに母親にとって、ひいては私たちにとって
デメリットになるかという 「裏付けとなる事象」 をいくつもいくつも話してきました。

要は、収入を減らしたくない、ということなんですが決してそれは口にしません。
金額にすると「円」で考えたら大した差額ではないので「ま、いいか」と前年通りとしました。
毎日の庭掃除と、週3回のハウスクリーニングで、月間8000円程度です。
バリ人の交渉は、決して結論を言わず、 「遠まわしに、遠まわしに言うこと」 が肝心のようです。


nice!(3)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行

nice! 3

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

乾季のロータス気付けグスリ ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。